丸沼高原オートキャンプ場

〜標高1500mのキャンプ場〜

2016年8月17日

今回は群馬県片品村にある「丸沼高原オートキャンプ場」に伺いました。3年前からキャンプを始め、今回が14回目のキャンプになりますが林間のキャンプ場によく伺う我々家族が今回は高原キャンプ場に挑戦してみました。

キャンプ場について

高原とテントの写真

日光白根山に中腹、標高1500mにあるオートキャンプ場ですが、私が今まで伺った関東近辺の10数カ所のキャンプ場の中でも最も標高が高いキャンプ場が今回伺った丸沼高原オートキャンプ場です。


そのため、平野部では気温が36度にもなる8月中旬の時期でも丸沼高原の気温は25度前後ととても過ごしやすく、夜間や朝方は気温が20度を割るところまで下がるため快適に休むことができました。


(1) 天候など

曇り空とテントの写真

しかし、その標高のためか天候がとても変わりやすく、伺った期間の2/3を雨に降られ、時より激しい雷になるため雨対策が必須なキャンプ場だと思います。
私が宿泊時も夜間に今まで体験したことがない近さに雷が落ちるのを感じ、妻はその恐怖にそれ以降寝付けないほどでした。
キャンプ場での雷対策としてどうすれば良いかその時はよく知りませんでしたが、自宅に戻ってから調べたところ紹介しているサイト「キャンプ中に雷が!!ゴロゴロ鳴ってきた時に対応すべきこと〜初心者のためのキャンプ入門〜」を見つけましたので併せてご紹介いたします。
簡単に言えばサイトから離れ、車や建物の中に避難すること、それが難しい場合には、できる限り高い木から離れることが重要なようです。


スキー場のゲレンデの一部をキャンプ場として利用していることもあり、周囲は森に囲まれており、実際に目で見ることはできませんでしたが、夜間に甲高い動物の鳴き声(後で調べたところおそらく野生の鹿のようです)を何度も聞きましたし、管理棟にはクマが出没したという情報が出ていたりするため野生動物を短に感じる環境です。


(2) サイト・設備など

サイトマップの写真

キャンプ場はフリーサイト、電源サイトおよび手ぶらサイトで構成されており、10サイト(AからJ)ある電源サイトと7サイト(1から7)ある手ぶらサイトのみ区画されており、それ以外はどこにでもテントが張れるフリーサイトになっており、とても広々とサイトを使えるのもこのキャンプ場の大きな魅力ではないかと思います。
ただ、トイレがキャンプ場の下部にしかないためその周辺にテントが集中する傾向にあるようです。我々は、キャンプ場の中腹(電源サイトの最上部であるJサイト)にテントを張り、上部の炊事場と下部のトイレ・炊事場のちょうど真ん中当たりでしたが水タンクの水だけ最初に炊事場などで給水し、車で運べば手洗いなどには不自由はなく、トレイも綺麗な景色を見ながら散歩がてら向かうことができるためそれほど距離を感じず不自由を感じることはありませんでした。
また、炊事場ではお湯ができるため肌寒い時の洗い物や油物などの洗うときにはとても重宝します。


(3) アクセスなど

このキャンプ場へのアクセスやチェクイン時間などはこちらの公式ページをご覧いただくとして、私からは我々が通った関越自動車道沼田インターからのルートをご紹介いたします。

沼田インターをおり国道120号を小一時間上ることになりますが椎坂バイパスが2013年に開通したことによりくねくね山道が大幅に減少したため運転のしやすさが改善すると同時に運転時間が短縮したと思います。


(4) 買い物・お風呂など

キャンプ場に向かう途中に食材などを購入することをお考えの方は、沼田インター降りて少し走ったところにあるベイシアに立ち寄ることをお勧めいたします。なお、もう少し走ると片品村の鎌田地区というエリアにスーパーいのうえという地元の小さなスーパーがありますが品揃えなどを考えるとベイシアで買い物をし、キャンプ中にどうしても必要になったものだけをスーパーいのうえで買い足すという形が良いかもしれません。

また、お風呂ですが、キャンプ場の管理棟も兼ねているシャトー丸沼という宿泊施設にあるはあるのですが、お風呂が狭く宿泊者専用のためキャンプ利用者は原則使用することができませんのでキャンプ場外の日帰り温泉施設を利用することになります。
選択肢としては、120号を沼田方面に20分くらい走ったところにある「白根温泉薬師の湯」もしくはそこからさらに20分ほど走った片品村の鎌田地区にある「ほっこりの湯」の二つになります。
キャンプ場では「ほっこりの湯」の割引券をもらえますが、距離があり移動のために時間を費やすより遊びに時間を費やしたかったため我々は「白根温泉薬師の湯」の方に伺いました。
なお、料金はほっこりの湯が大人550円/子供450円(割引前)、薬師の湯が大人800円/子供400円という料金で薬師の湯の方が高いです。


家族それぞれが楽しかったこと

(1) 5歳の次男が一番楽しかったこと「サマーリュージュ」


全長800m、標高差80mの斜面を最高速度40km/hで滑り降りるサマーリュージュですが、リュージュの車高が低く地面が近いため体感速度はもっと早く感じました。
身長が120cm以上であれば一人で乗れるのですが、次男は119cmと惜しくも届かなかったため私と一緒に二人乗りのリュージュに乗りました。

どんなものだったか?それは言葉で説明するのはちょっと難しいため論より証拠。リュージュに乗っているときのビデオをとりましたのでそちらをごらんください。


(2) 9歳の長男が一番楽しかったこと「ツリーアドベンチャー」


長男は二つ楽しかったことにあげ、その一つが上述のサマーリュージュ、もう一つがツリーアドベンチャーでした。
自然の木の上に足場を作り、その木と木をむすぶように設置されたロープや吊り橋などのエレメントを安全ハーネスを付けて攻略するツリーアドバンチャーですが高いところで10mくらいの高さのところを渡っていくスリルは結構なものでした。

以前同じようなアトラクションを北軽井沢の「スイートグラスアドベンチャー(http://ad.sweetgrass.jp)」で楽しんだことがあったのですが、別の会社が運営しているらしく安全ハーネスの扱い方が若干異なるなど一部設備に違いはありました。感覚的には今回の方が筋力(特に腕力)が求められ難易度が高く感じました。

こちらも論より証拠、体験中にビデオ(Kidsコースという難易度が低い方のコースに次男と一緒に挑戦中の動画)をとりましたのでそちらをごらんください。


(3) 妻が一番楽しかったこと「丸沼高原からの景色」


広大な敷地のキャンプ場にテントが点在しているため開放感があり、そのサイトから見上げる白根山、見下ろす景色はとにかく圧巻です。今回はあまり天気に恵まれず良くて曇り空という状況だったため星空を楽しむことができませんでしたが、天気が良いときにはものすごい星空が見えるようです。

今回のキャンプでやり残したことがあるとすればここでの最高の星空が見れなかったことかもしれません。


(4) 私が一番楽しかったこと「菅沼と山小やのオショロコマ」

菅沼の写真

丸沼高原の道の駅で見かけたパンフレットに「菅沼」の紹介記事を偶然見つけたのが知るきっかけでした。
そこには透明度が高くカヌーで有名なことや70cmクラスのニジマスやヒメマスが釣れると書かれており、水辺や魚、釣りが大好きな私はとても惹きつけられました。
ただ、釣りの道具を持ってきていなかったため、とりあえず見にいくだけ見てみようということでキャンプの合間に菅沼に向かいました。

菅沼は菅沼キャンプ村からしかアクセスできないためキャンプ村で一人70円の見学料を支払い菅沼の畔に降ります。
菅沼は肩書き通り透明度がとても高い沼とそれを取り巻く森の景色がとても美しいところでしたが、今回はあまり堪能できませんでした次回はぜひ釣具を持って伺いたいと思います。


おしょろこまの写真

また、菅沼キャンプ村の向かいに「山小や」という峠の休憩所のようなところがあり、昼食をまだ済ませておらず空腹にも耐えきれない状況だったためあまり期待せずに入りましたが、ここが大当たりでした。
片品村特産の地まいたけをてんぷらにしたてんぷらそばやまいたけご飯、片品村で養殖されたオショロコマ(北海道のイワナ)の塩焼きや湯葉カツは絶品で、家族4人でたらふくいただきました。


その他に楽しんだこと

(1) 日光白根山ロープウェイと自然散策路・天空の湯

キリギリスの写真

せっかく、白根山の中腹でキャンプをしておりロープウェイ乗り場が近くにあるためロープウェイに乗り標高2000mエリアに行ってみました。片道15分のロープウェイの終点は山登りのスタート地点にもなっており、軽食が取れる休憩所や山登りの疲れを癒す足湯などがあり、かなり充実していました。
我々はそこから45分の行程の自然散策路を歩いてみることにしましたが、苔むす「もののけの森」のような雰囲気があり、マイナスイオンを感じながら森を気軽に歩け、それは期待以上に楽しいものでした。
ただ、子供にとっては興味がないものだったのであっという間に通り過ぎてしまったことが少し残念。子供が巣立ったら奥さんふたりで伺い、ぜひゆっくりハイキングしてみたいところです。


(2) イタリアン「ふらいぱん」

今回のキャンプでもう一つご紹介したいのがイタリアン「ふらいぱん」です。
今回サイトでの調理が難しいほど雨が降ることがあったため外で食事を取ろうとふらっと入ったのがキャンプ場から沼田方面に20分ほど降ったところにあるイタリアン「ふらいぱん」でした。
観光地に多く見られるなんちゃってイタリアンのイメージで伺ったためあまり期待していませんでしたが、食べてみて驚きました。非常にリーズナブルな値段にも関わらずボリュームがあり、美味しいのです。
我々はペスカトーレ、まいたけスパゲッティー、ハンバーグ、生姜焼き定食を美味しくいただきました。


あとがき

滝の流れ込みの写真

暑さを凌げる木陰が多い林間のキャンプ場に伺うことの多い我々ですが、今回は高原キャンプ場である丸沼高原オートキャンプ場に伺い、高原キャンプ場にとても良い印象を持ちました。
それは標高がとても高く、アトラクションが多い丸沼高原だったからかもしれませんが高原キャンプ場も選択肢に入れてこれからはキャンプ地を決めて行こうと思う今日この頃です。


次回は、夏休み最後のキャンプとして山梨県のどこかのキャンプ場に出没する予定です!

キャンプTips! 〜雨天時の対処〜

今までのキャンプ経験からキャンプをもっと楽しむためのちょっとした工夫やノウハウが少しずつですが溜まってきましたのでみなさんにご紹介できればと思っております。


最近キャンプ時に雨に降られることが多く、その都度我々なりの工夫をしながら凌いできました。今回の「キャンプTips!」では雨天時に我が家が行った工夫やこうすればよかったなというポイントについて少しまとめてみました。

(1) 雨天時の設営および撤収時

雨天時の設営と撤収で最も重要になるのは順番だと思います。
雨天時はタープ→テント→その他のもの(撤収時はこの逆)という順番で行うことで設営時・撤収時の雨よけ面積を最大活用することができます。また、車の搭載能力により選択肢がない場合もありますが車に荷物を積む順番も設営の順番(タープが一番上)を意識しながら行うとより良いと思います。
また、サイトの広さや形状にもよりますがハッチバックの車の場合に車のハッチがタープの下に入るくらい車を近づけハッチを開けたまま作業をすることで設営・撤収共に車に雨が吹き込まず、荷物も濡らさずに作業を進めることができ良いと思います。

(2) 荷物の配置

雨がひどい場合には、雨が横から吹き込んでくるためテントの入り口やスクリーンタープなどの日よけ部分に荷物を置くことが重要です。また、サイトの斜面伝いに水がタープの下に流れこんでくることがあるため荷物を絶対に地面に直置きせず、足のある台などの上に乗せることが重要になります。

(3) タープの使い方

小川ばりの写真

スクリーンタープとヘキサタープの両方をお持ちであれば、雨が予想されるときには両方持参すると良いと思います。
個人的には開放感がないスクリーンタープはあまり好きではないのですが、雨天時には横から雨が吹き込むことを防げるためかなり有効だと思います。
ヘキサタープでも小川張り(写真)でテントと繋げ、タープの高さを全体的に低くすることで雨の吹き込みを最小化できますが地面からの雨の跳ね返りなどはどうしても防ぐことができないため雨天時はやはりスクリーンタープの方に分があると思います。

丸沼高原オートキャンプ場のようにサイトが広い場合にはテントとスクリーンタープを連結し雨よけ空間を作った上でさらにヘキサタープを張り、開放的な空間を作ることもできるため、車の積載容量が許せば両方持っていくのがよいかもしれません。


片品村について

年齢階級別人口
世帯当たり人口と人口密度
産業区分別就業者数
観光客数

継続的な人口減少が続いている片品村ですが、2015年時点で60歳以上人口と20-59歳以上人口がほぼ同じになっており、人口の10人に4人が60歳以上の高齢者です。(左上の図:クリックすると大きくなります。)また、世帯当たり人口は近年2.8人と3人を割り込む状況(右上の図)で、主要産業である三次産業(左下の図)、特に観光業ですが観光客数も近年は減少傾向(左下の図)となっています。


今回のキャンプで我々家族は片品村のいろいろなところに顔を出しましたが、ご年配の方が多く働いていらっしゃるのを拝見し、進む高齢化を肌で感じました。また、主要産業である観光業の観光客数も統計上は減少傾向ですが、丸沼高原周辺を見る限りは、魅力的な観光資源が多く、自然・スポーツ・乗り物など様々な年齢層が楽しめるアトラクションが揃っている印象があり、個人的には大きなポテンシャルを感じました。

また、今回特に印象的だったことは笑顔が素敵なご年配の方が元気に働いておられるシーンでした。
リュージュの乗り方を教えてくれたおじいちゃん、路面店でおいしいとうもろこしやトマトを購入しましたがたくさん試食をさせてくれただけではなくたくさんおまけしてくれたおじいちゃんとおばあちゃん、「山小や」で元気にオショロコマやヤマメを焼いていたおじいちゃんなど笑顔が素敵な元気なおじいちゃん、おばあちゃんにたくさん出会いました。
少子高齢化が進む山間部の過疎地域は悲観的に報道されることが多いですが、実際にそこに足を運び、そこに住むおじいちゃん、おばあちゃんが笑顔で元気に働いておられる姿を拝見する中に日本全体で少子高齢化が進むこれからの日本社会の新たな形を垣間見た今回のキャンプでした。


*データ出典:片品村HP統計情報(https://www.vill.katashina.gunma.jp/28-toukei.pdf)